日: 2013年7月12日

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    沼野尚美先生講演会

    今日は、アパホテル&リゾート札幌で上記の先生の講演会がありました。沼野先生は、当院の
    ホスピス講演会の3回目(平成19年2月)の時に特別講演でお呼びした先生です。

    沼野尚美先生のことを少し紹介しますと、わが国で一番長くホスピスの現場でチャプレン
    (病院付き牧師)をなさってきた先生です。病院の薬剤師から病院のチャプレンに転職
    なさり、これまで9つ以上の緩和ケア病棟で勤められ、3000人以上の方々の生と死に関わって
    来た方です。

    今回の講演会は参加者に看護師さんが多かったためか、その方達に送るメッセージとのこと
    でした。テーマは「スピリチュアルケアの叫び」
    6つのことに分けて話してくれました。
    1.残された時間の使い方の叫び
    予後告知は何歳になっても、聞くことは辛いとのこと。残された時間をどう使うかは
    難しい。
    2.なぜ私ががんになったのか。
    この問いには答えはない。返事はしなくていいと。
    3.人生の後悔から来る叫び
    現在は緩和ケアの技術が進み、痛みなど症状緩和がうまくいくようなり、自分を振り返る
    時間が持てるようになった。そのために人生の後悔を考えるようになったとのこと。
    症状緩和だけでなく、心のケアも同時に必要になった。
    4.死をめぐっての叫び
    残り1ヶ月を切るようになると本人も家族も命の短さがわかる。そういうときに死に対する
    質問が出ると。その時、スタッフは生きることを支えること
    5.希望を求める叫び
    希望は変化できるし、してもいい。日々の生活の中で喜びと楽しみを増やすように工夫する。
    6.誠実な愛を求める叫び
    患者さんが大切にされていると感じるようにすること。きちんと言葉で伝えること。これが
    医療者が一番苦手にしていると。

    1時間半の講演会があっという間に終わりました。いつも沼野先生のおしゃべりは楽しく、
    ユーモアがあり、そして考えさせられた講演会でした。

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