日: 2011年10月16日

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    平穏死のすすめ(その2)

    先日、ブログにも書きました「平穏死のすすめ」ですが、昨日その著者の講演会が
    ありました。
    市民と共に創るホスピスケアの会の主催で、札幌市社会福祉総合センターで
    「平穏死のすすめ -看取りと向き合う-」と題して、著者の石飛(いしとび)幸三先生
    の講演会がありました。
    講演の内容は、石飛先生自身が現在勤めている特別養護老人ホーム(いわゆる特老)で起こっていた
    ことを踏まえ、高齢者に対する終末期医療の提供をどのように行って行ったらいいかのお話
    でした。医療は進歩はしても、やはり老衰には勝てない。どの人にも必ず死は訪れるという
    現実にまだ医療の世界はきちんと対峙していないことが述べられました。
    老衰になれば、必ず食べられなくなる。私たちホスピスケアを行っているものも、いつも感じる
    現実がそこにありました。食べられないから、それならは胃瘻。国民の80%は自分には胃瘻
    を望まないと行っているにもかかわらず、現実には病院に入院して食べられなくなった高齢者
    の80%に胃瘻を造設している状況。そこを痛烈に批判していました。
    石飛先生の活躍で、今、全国的に高齢者に本当に胃瘻は必要であろうかと考える医療者が増えて
    いるようです。高齢者の「死を考えない」ことは、単なる最大の問題の先送りで、どのように
    死を迎えるかをみんなで考えていくことが、食べられないから胃瘻を作るのでは無く、最期を
    どのように迎えるかにつながり、しいては介護施設での静かな看取りにつながっていくと感じた
    講演会でした。まさにホスピスケアに通じるものでした。

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