先週の土曜日、当院のホスピス病棟の遺族会である「ひだまりの会」が開催されました。
今年は、11回目を数えます。
このひだまりの会の目的は、残されたご家族(遺族)のグリーフケア(悲嘆のケア)です。
ホスピス病棟で最愛の人を亡くした後、残されたご家族は、今まで通りの日常生活を送って
いかなければなりません。当院のホスピスでは、難しい病気にある患者さんとそのご家族
に、残された時間を大切にするケアを提供していますが、患者さんが亡くなった後の遺族にも
ケアを提供するのが役目と思っております。
外国では、ホスピスケアの要件の一つに、きちんとしたグリーフケア(遺族ケア)が組み込
まれているかが、必要条件となっている国があります。そういうところでは、悲嘆が強い家族
には、かならず連絡を取り、必要な場合には適切な治療にも介入するようです。
当院のホスピス病棟も、グリーフケアの一環として、このひだまりの会を毎年開催しています。
毎年、少しずつ改善しながらやっています。当初は年1回の開催にしましたが、たままた都合が
悪くて参加できなかったご家族がいるということや、また1回に来られるご家族が多くなって、
十分なお話が聞けないことがあるということで、3年前からは年2回の開催にしました。
それぞれの思いを胸にひだまりの会に参加していただきました。中には、最愛の人を亡くして
から初めて病院に来る方もいらっしゃいます。亡くなった後、当院の近くを通るだけで涙が
出てしまうという方もいらっしゃいました。そういう辛さも抱えながら、ひだまりの会に参加
することは、実はグリーフケアの一段階を超えることができたという証の時もあります。
会の中では、今の気持ちなどを聞かせてもらうことが多いのですが、必ずと言っていいほど、
この病院で最期を迎えることができて良かったという言葉を頂きます。また、お世話になった
担当医やスタッフにもう一度お礼を言いたいと言って、いらっしゃるご家族もいます。
その感謝の言葉が、逆にスタッフの励みになっていることも事実です。ご家族のグリーフケア
と同時に病院のスタッフのモチベーションを上げる会になっているという面を感じています。
今回は、会の最後に参加されたご家族にメッセージカードを書いてもらい、「想い出の木」を
作りました。
その写真は、もう一つのブログであるホスピスの「ひだまりブログ」を見てください。
今年は10月にもう一度開催の予定となっています。
また、ご報告したいと思います。