PEACE・Orange Balloon Project5周年フォーラム

昨日、標記フォーラム出席のため、東京へ日帰り出張に行ってきました。朝1番の飛行機で
千歳から羽田に出て、最終便で千歳に戻ってきました。千歳ー羽田便はたくさんあるので、
東京は日帰り圏だということを実感しました。

東京は、ちょうど雨模様となり肌寒かったです。札幌より暖かいと思い、防寒具を持って
いかなくてもいいかと思いましたが、出発直前に家から千歳まではやはり寒いから持って
行こうと思いなおしたのが幸いでした。東京もはっきり言って寒かったです。
天候のためか、フォーラムの出席者は少し少なめでちょっと寂しい感じがしました。

ここでPEACEプロジェクトについて少しお話をしておきますと、平成18年6月に成立した
がん対策基本法に基づき、平成19年6月にがん対策推進基本計画ができました。そこには、
すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得
することが目標とされました。そこから、日本緩和医療学会が中心となり、緩和ケアのための
医師教育プログラム(PEACE)を開発しました。平成20年4月から、指導者を育成し、また
全国で緩和ケア研修会を企画し始め、4年が経過したところでした。

PEACEプロジェクトが進み、この2月までで、研修指導者は2千人以上、緩和ケア研修修了医師は
3万人を超え、当初の目的を達していると思います。やはり、国が方針を決めると、それに
向かって物事が進んでいくんだなあと感じました。

一方、Orange Balloon Project(オレンジバルーンプロジェクト)について説明すると、
こちらは厚生労働省から、ぜひ「緩和ケア」というものを市民向けに啓蒙してほしいという
依託でした。
このプロジェクトは当初からかなり苦戦をしたようです。市民に一体どうやって「緩和ケア」
を知らせていくのか。そこから始まりました。みなさんは、オレンジ色の風船に顔が描いて
あり、その横に『がんになったら、緩和ケア』と書かれたポスターを見たことがありますか?
当院に来たことがあったり、ホスピスに興味がある方なら、見たことがあると思いますが、
かなり知名度は低いようです。
プロジェクトの最初の年は、「がん」という言葉入っているだけで、まだ自分は関係ないと
思う市民が多くて、イベントでオレンジバルーンプロジェクトのブースを出しても、誰も
来てくれないという様子だったようです。その後も、がんには興味があったりしても、まだ
緩和ケアではないという人が多かったようです。
2010年の時点でも、緩和ケアという言葉も内容も知っている市民はまだ20%に満たないと
いうデータが出ており、全然増えていないようです。
今後、このプロジェクトが進めばいいか、みんなの知恵が必要だったようです。

今後の緩和ケアの普及は続いていきます。その中で、自分のの立ち位置を常に考え、当院の
あるべき姿を考えなくてはいけないと思い、東京を後にしました。


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