今日、なんと徳田虎雄理事長が当院に来院されました。みなさんはご存知かもしれませんが、
徳田虎雄は今、神経難病の一つであるALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかっており、自分で
歩いたりはもちろんのこと、食事を摂ったり、呼吸をしたりもできない体になっております。
このような病気でも、知性は普通の人とまったく変わらず、色々なことを考えることができる
のです。コミュニケーションは、専用の文字盤を目で追うことで、付き人の人が一文字ずつ
読み取って行く形で、対面する人とはしっかり会話をすることができます。
今回は、札幌徳洲会病院の新築移転祝賀会が6月24日に開催されるのに合わせて、なんと
ALSという病気でありながら、飛行機を使って札幌までやってきたのでした。せっかく札幌に
来たのだから、札幌にある徳洲会グループの病院を訪問したいとのことで、今日は当院に来院
されました。
当院には約10年ぶりの来院です。9年前に前野先生が当院にホスピスを開設してからは
一度も来院したことがありませんでした。
今朝は、私も早くから病院に入り、理事長がやってくるのを待っていました。8時前から
病院前で待機。理事長の側近から入る電話連絡で、到着を今か今かと待っていました。
結局、8時30分過ぎに理事長専用のバスで到着。すぐに当院の4階の講義室へ移動しました。
まず、職員一同と一緒に朝礼を行い、いつもの当院の理念の唱和に引き続き、椅子を並べての
面談となりました。理事長は、専用の文字盤を通して、私たち職員に色々とメッセージを送って
くれました。
「10年前に当院に来院した頃、すでにこの病気(ALS)に気づいていた」
「10年経って、こうやってこの病院に来ることができて、うれしい」
「弱っている人をどうか助けてほしい」などなど。
その後は、面談に出席した人と一人ずつ握手をし写真を撮りました。出席した当院の職員と全員握手
をした後は、入れ替わり、次に当院の向かいにある有料老人ホームケ・アタウン徳洲会札幌南と
特別養護老人ホーム・コスモス苑さとづかの職員と同じように面談、一人ずつの握手となりました。
そして10時20分ぐらいとなり、次の予定があるということで、当院からの出発予定だった
のですが、せっかく当院に来られたので是非ホスピスを見てもらいたいので、帰り際にホスピス
病棟に寄り道をしてもらいました。
理事長にとっては、初めてのホスピス。当院の暖かな雰囲気を感じてもらえたのではないかと
思います。理事長から病室の中も見たいと希望されたので、患者さんにお願いして、個室と
大部屋を見せて頂きました。理事長も患者さんにお礼を言って、満足していました。
そして10時40分過ぎに当院を出発し、次の目的地へと移動していきました。
あっという間で過ぎ去った2時間でしたが、当院にとってはとてもよかったと思いました。