昨日、道新ホールで第50回札幌ホスピス緩和ケアネットワーク定例会の特別講演会
が開催されました。「ホスピス緩和ケアの原点を考える」と題して、講演会とシンポジウム
が催されました。
特別講演会の講師は、我々の尊敬する柏木哲夫先生。日本のホスピス緩和ケアの草分け的存在
で、日本で最初に淀川キリスト教病院でホスピスケアを提供した方です。
元々は精神科医でありながら、アメリカ留学中に出会ったホスピスケアに目覚め、45歳から
ホスピス医へと転身。その後の経歴は、他に譲ることとして、常に日本のホスピス緩和ケアを引っ
張って来た方です。
この講演では、ホスピスの原点は最初は、末期の患者さんの支えるという視点が原点だったと話して
いました。つまり、「その人がその人らしい人生を全うするのを支える」という立場を取っていたと。
しかし、最近では、「その人がその人らしい人生を全うするのに寄り添う」という視点が大事と
思うようになったとのことでした。
がんの治療期には、「この治療に頑張ろう」という励ます姿勢でいいが、再発・進行がんの時期
には支える姿勢、そして末期がんの時には寄り添うということが重要であることを繰り返し講演
では話していました。
そして寄り添う人に求められるものは『人間力』とのこと。その人間力を10個挙げていました。
1.聴く力 2.共感する力 3.受け入れる力 4.思いやる力 5.理解する力
6.耐える力 7.引き受ける力 8.寛容な力 9.存在する力 10.ユーモアの力
どれも大切な力だと思いました。一つ一つ人間力をつけることが、患者さんに寄り添うことが
できる人間になれることを考えさせられた講演でした。