みなさん、こんにちは。紅葉もすぎ雪の便りが聞かれるようになりました。いよいよ11月になりますね。
今回は先日開催された第2回徳洲会緩和ケアセミナーの報告です。

札幌の秋晴れの下、10月20日北海道建設会館で当セミナーが開催されました。昨年11月に引き続き2回目で
今回も当院が事務局となって開催しました。昨年は札幌徳洲会病院を開催場所に借りて、セミナーを実施。
講演を聴いたりする時には病院の8階の講義室は良かったのですが、ワークショップなどをやるには部屋への
移動があったりするため、今回は別の場所を借りることにしました。

今回は、少し参加者が多くなることを期待して札幌駅前の北海道建設会館のホールを借りました。昨年は
11月3日の文化の日に開催したのですが、やはり北海道は寒いという声も聞こえ、今年は10月中に開催する
ことにして、10月20日土曜日としました。

さて、プログラムの関しては、今回は私が中心になって進めることになりました。と言っても私一人の力で
出来るわけでもなく、みんなの力が必要で、工藤看護部長、下澤事務長といつも会議をしているので、
3人で構想を練っていきました。

昨年の緩和ケアセミナー(2017年11月のブログを参照)では、初めての開催でもあり、当院からの発信と
各施設からの発表および顔合わせという感じでした。全国から同志が集まり、とてもいい会が開催されたと
思っていて、今回はそれ以上のものをやりたいと考えていました。
まず、考えたのはどういうテーマを中心にやったらいいのかということ。事務長からは学会のようなメイン
テーマを求められました。言葉ではうまく表現は出来なかったのですが、多職種の集まりでチームの機能を
深められるような会が開催できればいいなと構想を練りました。
そこで、思いついたのが当院に傾聴ボランティアで来ている米本さんのことでした。まだ全国的にも珍しい
臨床宗教師(りんしょうしゅうきょうし)の資格を持っており、その視点でお話を伺うのがいいと思いました。
すぐに緩和ケアセミナーの特別講師の依頼を行い了承をもらいました。
その後、やはり昨年と同じく各施設からの報告も必要だと考え、セミナーの申し込み状況を見ながら、私が
独断で各施設の担当者に電話をかけ、施設発表をお願いしました。逆に是非発表したいと言ってくれた病院
もあり、助かりました。
昨年は最後に各分科会と称し、医師の集まり、看護師の集まり、コメディカルの集まりと3つグループ分けを
してディスカッションを行いましたが、今回は多職種でのディスカッションを目指し、職種に関係なく全員が
混ざり合うこと目指しました。中身に関しては実行委員会の他のメンバーにお願いして内容を吟味してもらい
ました。

そのようにして徐々にセミナーの内容が固まっていく中で、特別講演が米本さん一人ではやはり負担ではない
かという意見もあり、どうしたものかと考えていました。時期も開催まで2ヶ月ぐらいになっており、頼める
人もなかなかいないと思っていました。そのとき、工藤看護部長から急性期の病院で頑張っている人の話が
面白いんじゃないかとアドバイスがあり、そうだ!帯広第一病院の今井先生がいいねという話になりました。
当院で3年前まで一緒に働いていた今井先生は訳あって、帯広第一病院へ転勤。当初は総合診療をやるつもり
で帯広第一病院に就職したのに、緩和ケアのできるいい先生が来たと言うことで十勝地域初の緩和ケア病棟を
立ち上げる中心人物になったのでした。その過程で苦労したことが一杯あったと思うから、その苦労話を
セミナーで話してもらうと、徳洲会グループの急性期病院で緩和ケアを頑張っている人に勇気を与えることが
出来るんじゃないかという狙いでした。
すぐに電話で今井先生に講演の依頼をして了承をもらい、ほぼセミナーの全体スケジュールが決まったのでした。

セミナー当日は秋晴れの中、ぞくぞくと会場にみんなが集まってくれました。遠く沖縄からも中部徳洲会病院や
南部徳洲会病院からも大勢で参加していただき、本当にうれしく思いました。

セミナーは前野宏先生から開会の挨拶の後、『札幌南徳洲会病院 ホスピス15年のあゆみ』と題した私の基調
講演から始まりました。その後、午前中は2つの特別講演を行ってもらいました。
最初は、当院ホスピスに傾聴ボランティアで来ていただいている米本知昭(ちしょう)さんから『臨床宗教師
の働き ホスピス病棟におけるスピリチュアルケア』という題でお話をしてもらいました。何故、お坊さんで
ある米本さんにお願いしたかというと、彼はまだ全国的にも珍しい臨床宗教師(りんしょうしゅうきょうし)
という資格を持ち、今お坊さんでありながら医療の現場で活躍している方なのです。上湧別のお寺でお勤めも
しながら、札幌にも出てきており、色々なつながりから昨年より当院で傾聴ボランティアと働いている方です。
今回のセミナーを企画したときに、是非臨床宗教師というものを全国のグループのみなさんにも知ってもらい
たいと思い、早くから本人に講演をお願いしていました。
内容は、2011年3月の東北大震災を契機に宗教という垣根を越えた鎮魂が必要となり、亡くなった岡部医院の
岡部健先生の後押しもあり東北大学で養成が始まったとのことで、10年経たずに認定臨床宗教師という資格も
出来、米本さんはその一人なのでした。

もう一つの特別講演は帯広第一病院の今井貴史先生から『十勝地域初の緩和ケア病棟立ち上げまでのプロセス』
という講演でした。
今井先生は当院で3年前まで緩和ケア・在宅ホスピスを中心に働いてくれていたのですが、帯広第一病院では
総合診療をやる予定だったそうです。それが、札幌から緩和ケアの専門家が来たということになり、また
ちょうど緩和ケア病棟を作ろうという話が持ち上がっていたところでの赴任だったようで、結局は彼が中心に
なって帯広第一病院で十勝地域初の緩和ケア病棟を立ち上げることになったのでした。その約3年間の苦労話
は、絶対に急性期病院で緩和ケアをやろうとしている人々に希望を与える内容になるのではということで、
今井先生には忙しい中、札幌に出てきてもらい講演をしてもらいました。
内容はいわゆる急性期の病院に緩和ケア病棟を作る上での苦労話。まず文化の違いから変えないといけないと
いうことでした。何度も心が折れそうになり、辞めたいという気持ちになりながらも踏ん張りながら、今年の
2月に十勝地域初の緩和ケア病棟を作ることが出来ました。その頑張りに拍手を送りたい内容でした。

昼食を挟み、午後からは各施設の発表としました。昨年も行いましたが、今回は時間の関係もあり、6施設に
限らしてもらいました。南は沖縄の中部徳洲会病院から始まり、医師や看護師からそれぞれの病院の取り組み
が聞けて、時間が足りないくらいでした。

そして最後のセッションは多職種によるワークショップでした。
昨年のこの緩和ケアセミナーでは、各職種(医師のグループ、看護師のグループ、その他コメディカルの
グループ)に分かれてそれぞれの職種でテーマに沿って話し合いをしてもらいました。この時は各病院での悩み
事などを話す場となり交流を深める上で目的は達したのでしたが、今回は職種の垣根を越えたディスカッション
をやってもらい、それぞれの役割をもったチーム医療の実践をやってもらいたいと考えて、ワークショップの
企画をしました。
がんの終末期にある患者さん(仮想症例)を提示。8人ずつに分けたグループでテーマに沿って話し合ってもらい
その患者さんと家族の意思決定支援を考えてもらうという企画でした。私としては、当院のカンファレンスでは
いつもやっていることですが、このようなセミナーに参加したみんながうまくディスカッションしてくれるか
心配でした。しかし、実際ワークショップを始まると、私の懸念も必要なくどこのグループも積極的に発言し、
職種を超えて自分の意見を言っているのが印象的でした。急性期医療を提供している徳洲会グループの病院で
緩和ケアを広めるにはなかなか難しいと今まで思っていましたが、今回のワークショップを経験して、緩和ケア
のマインドをもった人たちがこんなにも集うとこんなにもうまくいくのだと実感しました。
ある参加者の人が発言していましたが、「ここにいる人たちがもし自分の病院にいたら、どれだけ心強いか、
仕事がしやすいかと思った。」と。
これからも徳洲会グループ内で緩和ケアが広まっていくと確信しました。

セミナーの後は、移動して昨年と同じアサヒビール園でジンギスカンを食べ、緩和ケアの仲間との交流を深め
解散となりました。

以上、第2回徳洲会緩和ケアセミナーの報告でした。

2018年11月
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