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2021年6月14日

キットイミガアル

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

新築移転が目前に迫り、院内はどの部署も忙しくなっています。
この週末、札幌は真夏のような暑さでした。
ボランティアの園芸部の方たちが、新病院・正面玄関前のスペースの土を入れ替えてくれました。これから少しずつ花壇が作られていきます。
新しい建物に彩りを添えてくださって、ありがとうございます。

クラスターが起きている間、植物には正直手が回りませんでした。
日々状態を見ながら水やりをし、声をかけられなかった約2か月。
「心を亡くす」の文字通り、忙しすぎてあらゆることへの丁寧なかかわりを失っていました。
イチゴ畑は受粉ができなくて、実がほとんどつかず。
水と光と手入れ・・手をかけてもらえなくて、イチゴも不自由だったでしょう。

振り返ると、患者さんに日々行っていたケアも同じことが言えるのです。
身体に触れ、笑顔で話しかける。
時にはじっくりそばに寄り添ってお話を聴く。
たっぷりと泡立てた石鹸で体を洗い、お湯に浸かっていただく。
こんな当たり前の日常を、コロナウイルスのため制限しなくてはなりませんでした。

看護師たちはどれだけ葛藤の中にいたでしょう。
クラスターの中、対策が次々変更し、じっくり話しあうこともできず、先が見えない日々。
必要なケアを十分にできないのなら、看護師ってなんのためにいるんでしょう?
そして短時間で去っていく看護師の姿を、患者さんはどう見ていたのでしょうか。
ある日突然宇宙人のような姿で病室に来た看護師を見て、心細くさせてしまったかもしれません。

ナースステーションに「(クラスターが)解除になったらしたいこと」と題して
*お風呂でしっかりキレイにしてあげたい
*シャンプーで2度洗いしてあげたい
などと大書してありました。
こんな当たり前のことが実現できて、ただただうれしいです。

心と体が喜ぶようなケアは、単なる時間だけでは測れません。
これからもコロナウイルスと付き合っていかなければならないなら、手探りし続けないとなりませんね。
きっと意味があるからこの試練があったのだと思います。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
「おかえりモネ」の影響で空を見上げることが多くなりました。