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札幌南徳洲会病院看護部長 工藤昭子の やさしさビタミンブログ

一日3つ!感謝を書く習慣

私は今EMS(エッセンシャル・マネジメント・スクール)という社会人のオンライン大学院のようなところで学んでいます。
毎週講義を聴き、10名ほどのグループで対話しながら進むのですが、同じチームに慶応義塾大学大学院の前野隆司教授がいらっしゃいまして、そのご縁で「幸福学」という学問を学び始めたところです。

先日前野先生から送っていただいた本『7日間で「幸せになる」授業』(PHP研究所)を読んでいる最中で、その中で「これはいいな~」と思う習慣を今実践しているところなので、お伝えしたくなりました。
幸福になる因子は4つありまして、その中のひとつ「ありがとう力」を高めるトレーニングについてお伝えします。
自分の身の回りに感謝の気持ちを持つことで幸福度は高まります。
普段忙しくて感謝の気持ちを忘れがちですが、感謝の対象は実はいくらでもあるのです。
例えば私は朝出勤するとまず花壇と4Fの鉢植えたちに「おはよう。今日もきれいでありがとう」と声をかけています。
院内を歩くときは「(夜勤者に)患者さんを守ってくれてありがとう」「今日は誰も欠勤せずありがとう」「暑い中お風呂の介助を頑張ってくれてありがとう」などと言うようにしています。

これはメンタルトレーニングを学んでいた時にも教わったことがあって、以前から習慣にしていました。
けれども書き出すということまではしてませんでした。
そこで試しに手帳に書いてみることにしました。毎晩寝る前に手帳を開き、今日起きたことの振り返りをしながら書いています。そうすると脳が勝手に感謝の出来事を探すようになり、日々書くことが増えていきます。そして感謝する出来事が発生した時点で「これは夜、手帳に書こう」と自然にピックアップされるようになりました。

前野先生の本によると感謝の心を持つことによって脳内のセロトニンやオキシトシンという幸せ物質が増え、物欲やストレスが減るという研究もあるそうです。
1週間書き綴っただけですが、これは楽しい記録=記憶にもなることがわかりました。
書くことなんてないよ~という方は「今日は晴れててありがとう」からおすすめです。雨が降っていたら「畑の作物のためにありがとう」。曇っていたら「日焼けしなくて助かった。ありがとう」と言ったらいいのです。
感謝は思っただけでは伝わりません。コトバにして発信することで人に温かいエネルギーを送ることができ、書き留めることで自分のエネルギーになります。
振り返って読むとその時の感情が湧きあがり、また感謝の念がよみがえってくるような気がします。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
そういえばこれも感謝でしたねえ。

聞き書き部、再開しました。

しばらくぶりに、聞き書き会を開きました。
コロナで休止していたのですが、少人数ですので感染管理に注意を払って再開することにしました。
主催者である私も、聞き書きのことがよくわかっているわけではありません。
だから見よう見真似、お互いの知識や実践を共有しあってゆる~く前に進もうと思っています。

今回実践報告をしてくれたメンバーは、齢90を超えたお母様のお話を聞き書きにしてくれました。
そしてそれを朗読してもらいました。私は目をつぶって、頭の中で想像力を働かせて聞き入りました。
親の話を改まって聴くというのは、切り出し方も気恥ずかしいものです。
そのメンバーはあらかじめ聞き書きというものについてお母様に説明し、そのうえで何度かにわけて聴き取り、録音して文字起こしをしました。
枚数にするとA4サイズ数ページに渡ります。
お母様の子供のころの情景、戦中戦後の暮らしぶり、結婚に至る経緯、子育て中のことなどが次々に出てきました。一人の女性のファミリー・ヒストリーです。
回を重ねるごとに物語が整理されて、時系列に沿って話そうとするのがわかって、驚いたといいます。

親の話をこうして改まって聴くことって、意識しないとあまりないように思います。
子どもの側も、自分が年齢を重ねるうちに「お母さんにも私と同じ年齢だった時があったんだよな」と思いを寄せることができます。
今よりも不便なことがたくさんあったけれど、モノがないからこそ知恵と工夫で心豊かな時代を送っていた。そんなことがわかります。

誰しも自分に関心を持ってもらって話を聴いてくれるって、うれしいものです。
お母様は目に浮かぶ情景を生き生きと語られています。
これまで特に思い出しもしなかったことが、聴かれることによって、引き出しを次々開けたみたいに飛び出してきます。
それを黙って聴いている私たちにも、尊敬と感謝の念が自然と湧いてくるのがわかります。
命がつながって、今わたしたちがここにいる奇跡を感じるのでした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
体験入部した人から「これは楽しい部活ですね~」と言われたのがうれしい私です。

穏やかな一週間

8月某日

朝7:30の歩き回り。
ホスピスのガーデナー(植物を育てるのが上手な看護師)が夜勤明けの朝を迎えていました。彼女が育てた鉢のうち、一度すくすくと伸びてきたのに、一気に葉が落ちてしまったアボカドがありました。茎が50センチほど残って、誰の目にも「ああ、残念だったね」という姿だったのですが、ガーデナーはあきらめません。
「茎がしっかりしているので気長に待つことにします。見守っていてください」という札を下げてそのまま窓辺に置いてありました。
そうしたら本当に見事に再生して、今では大きな葉をつけています。
信じて待つ、ってこのことだなあと教わりました。

8月某日
透析室へ行くと、おいしそうなお寿司のイラストが目に飛び込んできました。
透析患者さんは水分や塩分やカリウムなどいろいろ気を付けないとならないのですが、お寿司をすこしだけ食べたいというのも人情。それでお寿司一つがどんな成分なのか、ネタごとに調べたものを一覧表にしたのだとか。ごくろうさま。
他に果物編もあるそうです。
役立ててくれたらいいね。

8月某日
「部長。ご家族からいただいたお手紙です。コピーしておきましたので、お時間ある時読んでください」
私はこういうことされるとうれしいんだな。
親御さんへの深い愛情が伝わる、しかも私たちへのねぎらいや新病院への期待がつづられた温かい文章に、ついほろり。
「見せてくれてありがとう、素晴らしいご家族さんとの関係性だったね」とお礼を言うと
「あのご家族さんは、私たちと間違いなく“チーム”でした。一緒にこの数年やってきた、という気持ちがします」という師長さんの言葉に胸がアツくなる。

8月某日
院長のいない一週間は、カウントダウンカレンダーを看護部で破かせていただきました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
この平和な日々に感謝。あ、院長がいなかったから穏やか、という意味ではありませんよ。念のため。

盆踊りの出前

今年のお盆はどんな風に過ごされましたか?

開け放した窓から風に乗って流れて来る「こども盆踊り」の歌が今年は聞こえなくて、ただ夏が過ぎていく、そんな感じでしたね。
私も敢えてお盆のお墓参りは避けて、家で花やお供物を並べて心で故人を迎えました。

8月12日には3F病棟で盆踊りが行われると聞き、一体どうやってやるのかと見に行きましたら、法被に短パン姿のナース・補助者たちが各病室を盆踊りして歩いていました。
ワゴンを紅白の垂れ幕で包み、手作りの太鼓を載せて、ラジカセから盆踊りの歌が流れています。
ベッドサイドまで近づいて踊り、患者さんに声をかけていました。
びっくりして目を真ん丸にして驚く人、くすっと笑う人、感激して泣く人。
ナースたちは照れながらも真剣です。
途中、古いラジカセが何度も止まってしまい、コンコンと叩いては音が流れるのを繰り返して大笑いです。終わった後はみんないい顔をしていました。

コロナ前とコロナ後とではスタイルが変わりました。
「こうであらねば」と思うことから脱却して、新しさを創造すればいいんです。
私もスタッフから教わりました。

今週もこのブログに来ていただきありがとうございます。
季節の行事を大事にするっていいことだよね。

コロナの年の七夕祭

ホスピスの七夕祭り、今年はどうしようか。
コロナウイルス感染拡大のさなかにある今年は、イベントを中止するのが当たり前になっています。
やらない、というのは簡単なのですが、
状況を見てその都度判断したいと思っています。

3密にならないように時間と空気と接触のあり方をあらかじめ決めたらできるんじゃないか、とホスピスの須藤師長・ボランティアコーディネーターの鈴木さんと話し合いました。

去年までのお祭りの写真を見ると3密そのものです。
こういう光景に対する私たちの見方が、すっかり変わってしまったのを実感します。

一度にたくさん人が出ないようにして
でも露店風なことは行う。

患者さんはお一人ずつご案内して、楽しんでいただいたらどうか、ということになりました。

それから
人間織姫と彦星に登場してもらい、七夕の短冊の前で記念写真を撮るのはどうか、という案が出て「それいいね~」となりました。
短冊も押し花のシールが貼られたオリジナルです。

ボランティア衣装部がデザイン・製作・着付けをしてくれました。
人間〇〇はひな祭りやハロウィン、節分などでおなじみ。
得意中の得意かもしれません。
今までなかったのが不思議なくらいですが、これまでは露店に注力していたので考え付かなかったのでしょう。
これもひとつのイノベーション。

開始時間を待ちきれない患者さんがお部屋から出てきて、楽しそうに参加されていました。
お部屋にいらっしゃる患者さんのところへは、織姫と彦星が訪問し一緒に記念写真を撮らせていただきました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ケガの功名というか、転んでもタダでは起きない私たちです。

幸せな働き方の一部として

院内のいろいろなところで、職員やボランティアさんたちが飾りつけをしています。
こうして表現できるというだけで、その人の強みというものを感じます。

ある方は「飾りつけ終わると、もう次の飾りつけをどうしようかな、と考えている」と言っていました。
根底には「誰かに喜んでもらいたい」「びっくりさせたい」という気持ちがあるんですね。

表現というのは誰かの記憶や感性を呼び起こしてくれます。
「きれい」「かわいい」「なつかしい」「ほっこりする」という言葉や「いつも楽しみにしている」「とても癒されている、ありがとう」というような感謝が、創作者のやりがいとなり、さらなる創造性につながります。

別な方は「ショーウインドウの飾りつけや雑貨のお店のディスプレイを写真に撮って参考にしている」とも言っていました。
そうやって視野を広げて新たなチャレンジを繰り返していくことで、洗練されていくのですね。

仕事そのものとは違ったとしても、こうした表現をすることが公認されていると
それがやりがいへつながる、幸せな働き方の一部になるのではないかなあと思っています。
これからも私は、そういう自由度を高めていこうと思います。

今週もこのブログに来ていただきありがとうございます。
くりかえし、くりかえす。

連休は、幸せについて考えてみました

4連休が終わりましたが皆さまいかがお過ごしでしたか?
私はstay homeで読書や映画、料理をしてのんびりさせていただきました。

このところ「幸せ」について考えています。
人は何のために生きるのか。
幸せに生きるってどういうことか。
幸せな働き方ってなんだろうか。
幸せの尺度って・・。
考えることが多くなりました。

ある程度のお金は必要だけれど、お金がたくさんあれば幸せとは限らない。
成果(利益)を追求して心を失うよりも、今自分の身近にいる人や物事に丁寧に関わっていくことの大事さ。
リモートでの仕事がうまくいっている企業は、東京にこだわらなくなってきました。
都会を離れても仕事が成立するなら、空気のいい場所で土をいじりながら暮らしたい、とか。
家にいる時間が長くなったので、家族との対話が多くなったとか。
幸せって実は身の回りの小さなことだったりする。
それに気づいて人が行動し始めている、そんな気がします。


7月からボランティアさんが手作りしてくれた、カウントダウン・カレンダーを使用しています。
毎日朝礼で院長が一枚破るのがすでに習わしとなり、職員がその姿を注目しています。
朝礼は月曜から金曜までなので、土日の分は月曜日の朝に破るのですが、院長は2枚まとめて破るのではなく、一枚、そして一枚と丁寧に破ります。
破ったものも丁寧に折りたたんでポケットに入れ、医局まで持って行きます。
作ってくれた人の一枚一枚に対する思いを大切にする、そういう気持ちが表れているなと思います。
なにげなく見えても、職員の心のひだに確実にしみ込んでいると感じます。
尊敬と信頼はこういう小さなことから培われていくものですね。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
またまた身内びいきですみません!

疲労する脳

この数か月間というもの、オンラインでの会議や勉強会などが増えました。
移動時間のロスや感染リスクを避ける意味においてはとてもいいなあと思っていました。
自宅で夕食後に講義を受けたり、対話したりしたあとすぐに寝られるのですからこんな楽なことはないなあと。

ただ、どうも疲れる。
体が疲れるというよりは脳が疲れる、そんな風に思います。
これは単純に加齢によるものかと考えていたところですが、
ネットで知ったにわか知識によると、人と話をするときには目と目が合うことで「わかってもらった」という承認欲求が満たされ、脳が報酬をもらったと感じるのだそうです。
オンラインでは自分も含めてみんな正面を向いているけれども、誰とも目が合ったという風には感じられないのですね。
常に脳が報酬を求めてさまようのでしょう。
だから疲れるのか・・。納得しました。

病院における面会も、感染リスクを減らす目的で禁止されているところが多くあります。
当院も一定の制限はあり、遠方の方にはLINE面会をお取次ぎしています。

実際の面会であれば、発した言葉の意味や声音、表情とかを五感で感じ取ることができます。
返事はなくても沈黙の中でお互いがわかりあえる時を過ごすことができますね。
LINEは顔が見えても、そこにまとう空気感が伝わりづらいですし、一言言葉を発したらなにか言葉で返さなければならないという感じが伴います。
そこが機械を通すから自然ではなくなる所以です。

リスクを最小限にしながら、人と人の絆を大事にする。
オンラインもうまく利用しつつ、これからも模索していくしかありません。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
脳を休めるには寝るのが一番ですね。そして美しいものを見ましょう。

カウントダウン

当院では現在、新築移転のプロジェクトが進んでいます。
毎週建設会社の方が送ってくださる写真はどんどん形が変化して、建物らしくなっています。
私は月に1度現場を訪れるのですがそのたびに現場のきれいなこと(整理整頓という意味)と、はたらく車のプロフェッショナルな動きに見とれています。
詳しくは当ホームページの新築移転BLOGをご覧ください。↓

https://sapporominami.com/new_blog/

職員ひとりひとりにも、きっと移転に向けた思いがあると思います。
先月ボランティアさんがカウントダウン・カレンダーを作ってくれました。
移転オープンの日はまだ正式には決められませんが、一応7月1日とするともう1年を切っております。
365をスタートとして、毎日一枚ずつ日めくり式に破っていくという、シンプルなものです。
カレンダーの周りには職員の顔らしきイラストが描かれて、みんなでこの1年をワクワクしながら楽しむ雰囲気が感じられます。

看護部では移転後に緩和ケア病棟がふたつになるので、志望者を中心に院内留学ということを始めました。
緩和ケアを直接現場で学んでもらっているところです。
ここにも新鮮な驚きや感動があり、来年に向けてのワクワクが始まっています。

師長さんたちには、移転後に使う備品類の購入リストや配置について考えてもらっているところです。
これはち密で大変な作業ですが、新居の家具を考えるような楽しい時間です。
新しいきれいな病院で働くワクワクをみんなで味わうために、図面ごとの責任者を設けています。
「ここについては〇〇さんが一番詳しい」という人を作って、みんなが脳内イメージを作りながら、移転後にスムーズに動けるようにしたいと思っています。

日めくりカレンダーを破るのは院長にお願いしました。
毎朝の朝礼で、一枚めくるたびに新居が近づいてきます。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ぜひご一緒に、夢をお楽しみいただければ、うれしいです!

アサガオ

「〇さんのアサガオの種、無事にご家族にお送りすることができました。少し種が余ったのでどこかで使いませんか?」と声をかけられた。

ホスピスのナースで植物を育てるのが上手な人がいる。
食べ終わったパプリカやアボカドの種を発芽させて、日当たりの良いホスピスの端っこで育てている。わたしも真っ赤なパプリカをひとついただいたことがあるが、大きさといい、なかなか立派なものだった。
パイナップルやバジル、オジギソウに四つ葉のクローバー。
他にも名も知らぬ植物がたくさん置いてあり、小さな植物園のようである。患者さんに水やりをかって出てくださる方がいて、とても助かっている。

〇さんのアサガオも手入れがいいせいか、年中彩りを与えてくれている。
大ぶりの青く美しい花が終わると「ご遺族にお渡しするために種ができるのを待っています」と書かれたプレートが下がり、種が自然に落ちてしまわぬように、小さな袋がかけてあった。

それをまめにひとつひとつ採取して、ようやくまとまった数になったので、〇さんのご遺族にお送りしたのだという。

半月型の茶色い種はいかにも充実した姿をして、小箱に入れられていた。
来年、新しい病院で咲かせましょう。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
まめさがとても、大事だね。

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