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看護部からのお知らせ

緩和ケアって何をするところですか?

「緩和ケアって何をするところですか?」という質問をいただきました。
最近、直球勝負の質問が多くタジタジが続きますね(^^)/

ひとことで言うと、治癒が困難ながんを患った患者さんに対して、苦痛とつらい症状をできる限り和らげて、その方らしく最後まで有意義に過ごすことができるように支える医療ケアのことを緩和ケアといいます。
患者さんを支えるご家族も困難に直面していますから、大切な人と大事な時間を過ごせるように、サポートしていきます。

人はがんと診断されるとまずがんを取り除いたり(手術)、小さくしたり(放射線や抗がん剤)という治療に向かっていきます。
がんの場所や程度、転移した部位により、治療も変化していきます。いわゆる末期がんでも治療がないわけではありませんが、戦って勝ち抜くことが難しくなるときがあります。

「これ以上治療するのは困難なので、あとは緩和ケアに行ってください」と前の主治医に言われ、絶望的になってこられる患者さんもいらっしゃいます。
もっと早い段階で緩和ケアを伝え、相談や見学をお勧めする過程があると、患者さんを傷つけることもないだろうになあと思いますがこの辺は医療者側の課題ですね。

緩和ケアに来られた患者さんとご家族には、それまでの病歴やその方の生きてこられた歴史、価値観とともに、これから何を希望されるかなど、じっくり時間をかけて伺います。
「こんなに私の話を聴いてくれた病院は初めてだ」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、私たちの緩和ケアはまず対話が基本です。
お話を伺った後、今あるつらい症状をできるだけ取り除くことに焦点を当てます。
痛みや吐き気、体のだるさ、抑うつ、不眠など不快な症状は、単に体の不調からだけではなく、心理的なことや社会的なことから来ている場合もあります。
そのため医師・看護師・ソーシャルワーカーを中心として薬剤師・理学療法士・臨床心理士・音楽療法士・ボランティアなどチームで患者さんを支えています。

ベッドで起きるのが精いっぱいだった方が苦痛から解放されて、車いすで動けるようになることもありますし、時にはご自宅へ帰られることもあります。
最後までその人が積極的に生き、心地よく過ごせるように、また命の終わり(旅立ち)を自然な過程で迎えられるようにと考えています。

現在日本では緩和ケア病棟にはがんと後天性免疫不全症候群の病名がついた人しか入れません。
どんな病名であれ、尊厳を大事にした最期を迎えるために誰でも緩和ケアが適応になるべきでしょう。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
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